
こんにちは、かりんです🥰
皆さんは「人工光合成」って技術を知っていますか?
人工光合成とは、植物の光合成のように太陽光エネルギーを利用して水とCO2(二酸化炭素)から水素や炭化水素などの燃料をつくる技術のこと。
2025年09月02日(火)、環境省は人工光合成の一部の技術について2030年に実用化を目指す工程表をまとめました。この工程表では2030年に太陽光発電などによる電力を用いて水やCO2を分解する電解技術を実用化、2035年には水素製造の実用化、40年には航空機燃料などの製造を目指すようです。
日本政府が目標に掲げる2050年の温室効果ガス排出実質ゼロに向けて、CO2の排出量をできる限り削減したうえで、それでもゼロにならないCO2排出を「資源」と捉えて再活用する狙いがあるみたいです。
ふむふむ。
「てゆーか脱炭素って真面目に取り組んでるの日本だけなんじゃない?」って微妙に思ったりしますが、それでも太陽光エネルギーを活用して燃料を作れるようになったらなかなか夢がありますしSDGsです(?)
いずれにしても新しい技術開発を官民で目指すということは株式市場でも注目しておくべき。
と、いうことでこのページでは人工光合成関連株について、本命株・出遅れ株・一覧をまとめておきます。
人工光合成関連株とは

人工光合成関連株とは、その名の通り「人工光合成」技術に関連する銘柄の総称です。
人工光合成とは、植物の光合成のように太陽光エネルギーを利用して水・二酸化炭素(CO2)からクリーンなエネルギー資源や化学原料を生成する技術のこと。
2025年09月02日(火)、環境省は人工光合成技術の工程表をまとめており、この工程表によるとザックリ以下のような目標設定らしいです。
人工光合成研究の第一人者とされる堂免一成・東大特別教授によると、こちらの目標設定について「かなりリーズナブル(妥当な)目標設定で、この分野で研究する人間にとってやる気が出る工程表になっている」とのこと。
関連株は、人工光合成の技術開発・研究している会社や、人工光合成に必要不可欠な「光触媒」に関連する銘柄がメインになりそうですね。また、経済産業省主体で形成した人工光合成技術の研究・開発を進める産官学連携組織「ARPChem(アープケム)」に参画している企業も人工光合成関連株といえると思います。
人工光合成に必要不可欠な光触媒

人工光合成という技術に必要不可欠なのが「光触媒」というやつ。
光触媒とは光を当てることで化学反応を促進する物質のこと。光触媒の代表的な例は「酸化チタン」と呼ばれる物質で、これは住宅の健在や窓ガラスの防汚コーティングとして使われていたり、塗料やプラスチック製品などにも使われています。
わかりやすい例として住宅の外壁材としての機能を紹介しますが、光触媒加工された外壁材は太陽光が当たることで化学反応が起きて汚れが分解され、その後雨が降れば自動的に洗い流されるみたいな機能があります。これも光触媒の光に化学反応する特性を利用しているわけですね。
人工光合成技術も肝となるのは太陽光エネルギーを効率よく化学反応に変換すること。
光触媒が太陽光を吸収して、そのエネルギーを使って見ずを水素と酸素に分解したり、二酸化炭素をメタノールなどの燃料に変換、といった化学反応こそが人工光合成技術の仕組みです。
なので光触媒がなければ人工光合成技術は成り立たない、人工光合成の中心的な役割を果たすのが光触媒なのですね。
ちなみに1972年に藤嶋昭氏と本多健一氏が「酸化チタンを用いた光触媒による水分解(本多-藤嶋効果)」を発表し、これが人工光合成研究の原点とされており、こちらはノーベル賞候補としても割と有力視されていたりもします。なので、10月頭にノーベル賞の受賞発表を控える今、人工光合成技術はより注目を浴びやすい環境ともいえるかもしれないですね。
代表的な光触媒といえば「酸化チタン」ですが、光を当てて化学反応を起こす触媒は他にもあります。
酸化チタンだけでなく、その他の光触媒も人工光合成で利用される可能性もありますので、把握しておくと良いかもしれないですね。
酸化チタン
最も広く使われている光触媒。安定性が高く無毒で安価。しかし、主に紫外線しか吸収しないという大きな欠点がある。太陽光のわずか5%程度しか利用できないため人工光合成の効率が限られる。
窒化ガリウム(GaN)
酸化チタンとは異なり、紫外線だけでなく可視光を含むより広い範囲の光を吸収できるため、太陽光エネルギーの変換効率が非常に高い。特に人工光合成の鍵となる水の分解による水素生成に優れる。ただし製造コストが高価。
タンタル酸ストロンチウム
水の分解による水素と酸素の生成に非常に効果的。紫外線だけでなく一部の可視光も吸収できる点が強みで、高い安定性も持ち合わせている。助触媒と組み合わせることで性能がさらに向上する。
グラファイト状窒化炭素
金属を含まない、ポリマーベースの半導体で可視光を吸収できる。安定性が高く豊富で安価。純粋な水の分解では他の材料より効率が劣るが、独自の電子構造を持つため、二酸化炭素から炭化水素などの燃料を生成する用途で将来性が期待される。
人工光合成関連株 一覧
コード | 銘柄名 | 特徴 | 時価総額(25.09.05時点) |
---|---|---|---|
7203 | トヨタ自動車 | トヨタグループ「豊田中央研究所」が2000年代から人工光合成に取り組む
2021年時点で10%エネルギー変換効率を達成する高効率システムを開発(世界最高峰の成果) |
46,792,650百万円 |
6752 | パナソニック ホールディングス | 太陽光を用いた人工光合成の研究 可視光応答触媒やメタン生成などの実績 | 3,782,425百万円 |
7201 | 日産自動車 | 2022年1月に東京工業大学と共同で人工光合成の効率を向上させる高性能な光の短波長化材料を開発したと発表 | 1,281,330百万円 |
5401 | 日本製鉄 | 光触媒を活用する人工光合成技術による水素製造技術の開発に取り組む | 3,640,100百万円 |
1605 | INPEX | 2022年07月 ARPChemの支援の下、東京大学と共同で人工光合成技術を用いたメタン合成に成功 | 3,280,679百万円 |
3402 | 東レ | 人工光合成により化学原料を生成するためのコア技術である高性能な光触媒や分離膜の開発 | 1,617,451百万円 |
4188 | 三菱ケミカルグループ | ARPChemの人工光合成プロジェクトを主導的役割を担い国内の化学メーカーや大学・国研等の研究機関と共同開発
太陽光から水素を製造するプロセスと、水素とCO2からプラスチック原料等の基幹化学品を製造する触媒技術の開発を主導 |
1,322,822百万円 |
4182 | 三菱ガス化学 | ARPChemの人工光合成プロジェクトに参画 光触媒を使った人工光合成の一部プロセス(特にCO2由来のプラスチック原料製造)に取り組む |
570,072百万円 |
4901 | 富士フイルムホールディングス | 写真フィルムの製造で培ったナノ粒子の分散技術を応用し、光触媒粒子を均一かつ高密度に配置した「光触媒シート」を開発 | 4,486,665百万円 |
4183 | 三井化学 | ARPChemの人工光合成プロジェクトに参画 触媒技術やプロセス設計などで貢献光バイオ触媒で空気と水からアンモニアと水素の同時合成に成功 |
763,608百万円 |
4005 | 住友化学 | ARPChemの人工光合成プロジェクトに参画 光触媒技術、プロセス設計、分離膜開発、合成触媒など多方面で貢献? |
782,204百万円 |
7912 | 大日本印刷 | ARPChemの人工光合成プロジェクトに参画 液晶フィルムで培った光触媒の面積を大きくできる技術 水素を効率的に取り出せる触媒シートの開発など |
1,369,157百万円 |
5706 | 三井金属 | 人工光合成で利用される無機光触媒材料(特に水分解用光触媒)の研究・開発 | 605,733百万円 |
5016 | JX金属 | ARPChemの人工光合成プロジェクトに参画 人工光合成用光触媒の開発に取り組む |
1,369,019百万円 |
7826 | フルヤ金属 | ARPChemの人工光合成プロジェクトに参画 水電解触媒開発で培った技術を基に高性能触媒の開発とその量産技術開発に取り組む |
68,984百万円 |
5332 | TOTO | ARPChem、東京大学と人工光合成による水素製造の実用化を加速させる混合粉末型光触媒シートを開発 | 715,712百万円 |
4980 | デクセリアルズ | 可視光領域の光も人工光合成に活用する人工光合成用光触媒の開発に取り組む | 344,986百万円 |
6330 | 東洋エンジニアリング | 2021年に人工光合成による水素社会の早期実現を目指し富山大学と共同研究契約書を締結 | 65,472百万円 |
9432 | NTT | 太陽光エネルギーを利用する半導体光触媒と二酸化炭素(CO2)を還元する金属触媒を電極として組み合わせた人工光合成デバイスを作製し、世界最長の350時間連続炭素固定を実現 | 14,415,610百万円 |
5713 | 住友金属鉱山 | 2019年から京都大と共同で主にタンタル酸亜鉛と銀を用いた光触媒の開発に取り組む
2025年3月、京都大学と共同で従来に比べ30倍の効率で二酸化炭素を一酸化炭素に変換できる光触媒技術を開発したと発表 |
1,219,674百万円 |
6971 | 京セラ | ARPChemの人工光合成プロジェクトに参画 具体的にどの技術や素材を担当しているかはよくわかんない |
3,060,976百万円 |
4028 | 石原産業 | 光触媒の代表的原料である「酸化チタン」の国内トップメーカー
ただし酸化チタンも白色顔料や日用品の光触媒など既存産業用途向けに製造・販売しているので、人工光合成分野に絡んでくるかは微妙 |
100,960百万円 |
4027 | テイカ | 光触媒の代表的原料である「酸化チタン」メーカー大手
ただし酸化チタンも白色顔料や日用品の光触媒など既存産業用途向けに製造・販売しているので、人工光合成分野に絡んでくるかは微妙 |
32,237百万円 |
4098 | チタン工業 | 光触媒の代表的原料である「酸化チタン」メーカー
ただし酸化チタンも白色顔料や日用品の光触媒など既存産業用途向けに製造・販売しているので、人工光合成分野に絡んでくるかは微妙 |
2,552百万円 |
ARPChem(アープケム:人工光合成化学プロセス技術研究組合)参画企業 一覧
1605 INPEX
5016 JX金属
7912 大日本印刷
4980 デクセリアルズ
3402 東レ
7203 トヨタ自動車
5401 日本製鉄
7826 フルヤ金属
4183 三井化学
4005 住友化学
4188 三菱ケミカルグループ
6971 京セラ
4182 三菱ガス化学
(もし抜けあったら教えて!)
人工光合成関連株 本命株 出遅れ株
それでは人工光合成関連株の本命株・出遅れ株をピックアップしていきますね。個人的な主観を含んだ内容なので参考程度にお願いします😋
人工光合成関連株 本命株 7203 トヨタ自動車

人工光合成関連株の中核的な銘柄としてトヨタ自動車をピックアップしておきます。
トヨタグループの「豊田中央研究所」は2000年代から人工光合成に取り組んでおり、2021年時点で10%エネルギー変換効率を達成する高効率システムを開発しています。これは世界最高峰の成果らしいですね。
人工光合成における効率目標として、国際的に「太陽光からのエネルギー変換効率が10%を超えれば実用化に現実実が出てくる」とされているらしいです。なので、トヨタの10%エネルギー変換効率はブレークスルーの成果として評価されている模様。
またトヨタは人工光合成化学プロセス技術研究組合「ARPChem(アープケム)」に参画しており、豊田中央研究所と連携し高効率光触媒システムの評価・改良に鉱研している模様。また、トヨタは人工光合成で得られる水素や炭化水素を「FCV(燃料電池自動車)」に活用するシナリオもありますから、やはり人工光合成分野では中核的な存在と言えると思います。
まぁでも中心的ではあってもトヨタ自動車という銘柄は時価総額規模も日本最大ですし為替相場や関税の情報に株価が影響されます。人工光合成のテーマだけでギュンギュン動くような銘柄ではないのでその点は理解しておきましょう。
人工光合成関連株 本命株 4188 三菱ケミカルグループ

人工光合成関連株として三菱ケミカルグループも中核的な存在と言えると思います。
三菱ケミカルグループはARPChemの人工光合成プロジェクトに参画し、主導的な役割を担っている企業のひとつ。
ARPChemのプロジェクトでは太陽光から水素を製造するプロセスと水素とCO2からプラスチック原料等の基幹化学品を製造する触媒技術の開発を主導しています。国内の化学メーカーや大学・国研等の研究機関などと積極的に共同開発しており、まさにセンター的な存在と言えると思います。
人工光合成関連株 本命株 4183 三井化学

三井化学もARPChemの人工光合成プロジェクトに参画している企業で、三井化学は触媒技術や人工光合成のプロセス設計などで貢献しているようです。
また2023年11月には三井化学と九州大学が連携して設立した「三井化学カーボンニュートラルセンター」が、光バイオ触媒で空気と水からアンモニアと水素の同時合成に成功したことを発表しています。この研究成果は新しいアンモニアと水素の人工光合成の手法として期待、とのこと。
三井化学も人工光合成関連株としては本命視しておきたい銘柄ですかね。
人工光合成関連株 本命株 7912 大日本印刷

大日本印刷もARPChemの人工光合成プロジェクトに参画している企業で関連株の一角として注目。
大日本印刷は独自の光学設計技術を核に多様な機能をもつ光学フィルム製品を提供してきた実績があり、人工光合成の分野では水素を効率的に取り出せる触媒シートの開発などを手掛けています。
同社が液晶フィルムなどで培った光触媒の面積を大きくできる技術によって、人工光合成における光触媒シートの量産コストを大幅に下げられる可能性が期待されているようです。
人工光合成関連株 本命株 5706 三井金属
後日追記予定。ちょっと待ってね!
人工光合成関連株 本命株 5016 JX金属
後日追記予定。ちょっと待ってね!
人工光合成関連株 出遅れ株? 7826 フルヤ金属
後日追記予定。ちょっと待ってね!
人工光合成関連株 出遅れ株 5332 TOTO
後日追記予定。ちょっと待ってね!
人工光合成関連株 出遅れ株 4980 デクセリアルズ
後日追記予定。ちょっと待ってね!
人工光合成関連株 本命株 6330 東洋エンジニアリング
後日追記予定。ちょっと待ってね!
人工光合成関連株 本命株 5713 住友金属鉱山
後日追記予定。ちょっと待ってね!
人工光合成関連株 まとめ
人工光合成関連株のまとめはとりあえずここまで。
まだ途中だから後日また追記しますね!
人工光合成とか光触媒は毎年10月頭に発表されるノーベル賞にも絡む可能性あるのでその点でも注目かも。関連株は把握しておこー!
他にも、次にくる有望テーマ株とか材料株とかを初動で拾えるようにしっかりアンテナを広げておきましょう!
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2035年:光触媒・光電極による水素製造を社会実装
2040年:人工光合成技術のみによる基礎原料の量産化や高付加価値物質の製造を実現