業種別平均PER まとめ

    業種別平均PER まとめ

    ※この記事は2025年03月11日(火)に追記編集しました。

    こんにちは、かりんです🥰

    今回のブログ記事では「業種別平均PER」について取り上げてみます。

    個別銘柄に投資をする際の指標としてPERやPBRをご覧になっている方は多いと思います。
    PER・PBRは株価が割高か割安かを判断する指標として知られており、どちらも数値が大きいほど割高、数値が小さいほど割安、ということを示します。

    一般的にPERの目安としては15倍前後が妥当、とけっこうざっくりとした数値で語られることが多いですが、PERは業種によって偏りがあります。たとえば成長産業である「情報・通信業」ではPERが高いケースが多かったり、「輸送機器業」や「電気・ガス業」などではPERが低かったり。

    またプライム市場・スタンダード市場・グロース市場によってもかなり偏りがあります。グロース市場では、赤字企業が多かったりPERが算出できないケースも多いです。グロース銘柄ではPERがあまり機能しなかったり。

    大雑把に「企業PERは15倍程度が目安」といっても、業種によってはPER20倍前後でも割安だったり、PER10倍以下でも割高と言えるケースもあるってことですね。

    なので、このページでは業種別PERについてまとめておこうと思います。
    業種別平均PERを把握しておけば、今後の投資行動の参考になるかも。

    PERとは

    株式投資

    PERとは「Price Earnings Ratio」の略で企業の株価と収益力を比較する指標。日本語だと「株価収益率」といいます。

    企業の収益に対して投資額のもとを取るには何年かかるかを予測することができる指標で、例えば「PER15倍」の銘柄であれば「この企業を買収する金額を15年で回収できる」ということになりますね。15年分の利益が織り込まれた株価、ともいえます。

    日本の上場企業は一般的に「PERは15倍が目安」と言われていますが、平均PERは業種や市場ごとに異なるため個別銘柄の割高・割安を判断するには業種別平均PERと比較することも重要とされています。

    PERの計算式

    PERの計算式は以下の通りです。

    PER=株価÷1株あたりの純利益(EPS)

    なので株価が上がってもPERは高くなりますし、EPSが下がってもPERは高くなります。

    業種別平均PER(連結ベース)

    こちらの一覧表は日本取引所グループが毎月公開している実績値ベースの平均PER(単純・加重)です。
    なお、連結ベースですので連結財務諸表を作成している会社については連結の数値、作成していない会社については単体の数値がベースとなります。

    予想利益ベースでなく、実績利益ベースである点はご注意ください。

    ※2025年03月11日(火)追記↓

    もともと2025年01月時点のものをピックアップしていましたが、2025年02月時点のものもピックアップ。

    プライム市場 業種別平均PER(連結ベース)

    プライム市場 業種別平均PER(2025年01月末→2月末)
    業種等 加重PER(倍) 1月 加重PER(倍) 2月 増減
    総合 17.2 16.6 ▲0.6
    総合(金融業を除く) 17.6 16.9 ▲0.7
    製造業 18.2 17.4 ▲0.8
    非製造業 16.8 16.2 ▲0.6
    1 水産・農林業 10.4 10.4 0
    2 鉱業 6.4 7.4 +1
    3 建設業 14.6 14.4 ▲0.2
    4 食料品 18.8 18.2 ▲0.6
    5 繊維製品 35.7 33.1 ▲2.6
    6 パルプ・紙 11.3 10.9 ▲0.4
    7 化学 22.2 21.4 ▲0.8
    8 医薬品 39 37.8 ▲1.2
    9 石油・石炭製品 7.4 7.3 ▲0.1
    10 ゴム製品 10.9 11 +0.1
    11 ガラス・土石製品 15 14.2 ▲0.8
    12 鉄鋼 6.7 6.9 +0.2
    13 非鉄金属 19.4 18 ▲1.4
    14 金属製品 18.2 17.7 ▲0.5
    15 機械 19.4 18 ▲1.4
    16 電気機器 27.4 26.4 ▲1
    17 輸送用機器 9.6 8.9 -0.7
    18 精密機器 25.2 22 ▲3.2
    19 その他製品 23.9 25.5 +1.6
    20 電気・ガス業 4.5 4.6 +0.1
    21 陸運業 12.9 13 +0.1
    22 海運業 9 9.7 +0.7
    23 空運業 10 9.9 ▲0.1
    24 倉庫・運輸関連業 14.8 14.5 ▲0.3
    25 情報・通信業 25 24.4 ▲0.6
    26 卸売業 11 10.6 ▲0.4
    27 小売業 27.8 25.8 ▲2
    28 銀行業 16.1 15.6 ▲0.5
    29 証券、商品先物取引業 16 15.2 ▲0.8
    30 保険業 13.4 13.6 +0.2
    31 その他金融業 12.3 11.6 ▲0.7
    32 不動産業 13.9 13.4 ▲0.5
    33 サービス業 40.6 36.9 ▲3.7

    ちなみに日経平均株価(終値)の1月末時点と2月末時点を比べてみると以下の通り。

    日経平均株価(25.01月末→25.02月末の推移)
    2025年01月31日(終値):39,572.49円
    2025年02月28日(終値):37,155.50円【▲2416.99円(▲6.11%)】

    1月末と比べて2,400円も下落してるんですね。下げ率で▲6%
    普通に2月以降地合いが悪いので、業種別PERも下げが目立ちますね。

    ※参考:日本取引所グループ(https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html)

    スタンダード市場 業種別平均PER(連結ベース)

    スタンダード市場 業種別平均PER(2025年01月末→2月末)
    業種等 加重PER(倍) 1月 加重PER(倍) 2月 増減
    総合 16.2 16.2 0
    総合(金融業を除く) 16.3 16.3 0
    製造業 13.8 13.9 +0.1
    非製造業 18.4 18.3 ▲0.1
    1 水産・農林業 12.8 13 +0.2
    2 鉱業 7.2 6.6 ▲0.6
    3 建設業 20.8 21.2 +0.4
    4 食料品 16.4 16.3 ▲0.1
    5 繊維製品 15.5 16.4 +0.9
    6 パルプ・紙 9.8 10 +0.2
    7 化学 15.3 15 ▲0.3
    8 医薬品 11.3 10.6 ▲0.7
    9 石油・石炭製品 17.3 16.4 ▲0.9
    10 ゴム製品 9.9 14.2 +4.3
    11 ガラス・土石製品 8.6 9 +0.4
    12 鉄鋼 10 10.7 +0.7
    13 非鉄金属 13.6 16.4 +2.8
    14 金属製品 18.6 19.1 +0.5
    15 機械 16.8 16.4 ▲0.4
    16 電気機器 14.8 14.4 ▲0.4
    17 輸送用機器 9.6 9.3 ▲0.3
    18 精密機器 12.6 11.4 ▲1.2
    19 その他製品 16 21.5 +5.5
    20 電気・ガス業 488.7 500.9 +12.2
    21 陸運業 10.3 10.4 +0.1
    22 海運業 11.7 11.3 ▲0.4
    23 空運業 10.7 10.6 ▲0.1
    24 倉庫・運輸関連業 19.4 14 ▲5.4
    25 情報・通信業 26.8 27 +0.2
    26 卸売業 11.6 11.5 ▲0.1
    27 小売業 26.6 25.6 ▲1
    28 銀行業 73.8 65 ▲8.8
    29 証券、商品先物取引業 9.2 9.2 0
    30 保険業
    31 その他金融業 10.3 10.3 0
    32 不動産業 11.1 11 ▲0.1
    33 サービス業 16.8 17.1 +0.3

    ※参考:日本取引所グループ(https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html)

    グロース市場 業種別平均PER(連結ベース)

    グロース市場 業種別平均PER(2025年01月末→2月末)
    業種等 加重PER(倍) 1月 加重PER(倍) 2月 増減
    総合 127.2 123.8 ▲3.4
    総合(金融業を除く) 176 172.6 ▲3.4
    製造業
    非製造業 72.5 70.7 ▲1.8
    1 水産・農林業
    2 鉱業
    3 建設業 19.8 19.4 ▲0.4
    4 食料品
    5 繊維製品
    6 パルプ・紙
    7 化学
    8 医薬品
    9 石油・石炭製品
    10 ゴム製品
    11 ガラス・土石製品
    12 鉄鋼
    13 非鉄金属 10.2 10.6 +0.4
    14 金属製品
    15 機械 412.8 407.2 ▲5.6
    16 電気機器
    17 輸送用機器 14 14 0
    18 精密機器
    19 その他製品 26.2 27.3 +1.1
    20 電気・ガス業 23.2 26.8 +3.6
    21 陸運業
    22 海運業
    23 空運業 12.7 10.9 ▲1.8
    24 倉庫・運輸関連業 71.9 73.6 +1.7
    25 情報・通信業
    26 卸売業
    27 小売業 35.9 28.9 ▲7
    28 銀行業
    29 証券、商品先物取引業 24.8 13.3 ▲11.5
    30 保険業 24.9 22 ▲2.9
    31 その他金融業 65.8 61.1 ▲4.7
    32 不動産業 16.2 15.8 ▲0.4
    33 サービス業 50.9 50.7 ▲0.2

    ※参考:日本取引所グループ(https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html)

    単純にPERが高いから割高、低いから割安ってわけでもない

    ふむふむ、やはり業種によっても市場区分によっても平均PERはバラつきがありますね。
    プライム市場の総合だと平均PER17倍前後ですが、グロースだと総合で127倍ですし。業種によっては20倍台や30倍台もありますし、10倍以下のものもあります。ま、グロースはPERほとんど機能してないような気もするけど。

    んで、注意したいのは【単純にPERが低い業種が割安かというとそうでもない】ということです。
    PERが低いまま放置されている銘柄(業種)は、そもそも将来の利益成長率にあまり期待がもたれていない、ということでもあります。

    例えば銀行業などは長期に渡り超低金利が続いていたため将来的な収益期待が低く、PERは低かったのですが、2024年にマイナス金利が解除され金融政策が正常化に向かう流れとなり、この1年でPERが高くなってきています。これは期待が高まってきていることの現れでしょう。

    ※参考※プライム市場の銀行業 平均PER
    ・2024年01月:8.7倍
    ・2025年01月:12.8倍

    また、PERはそれぞれの企業の「リスクの大きさ」にも左右されます。
    例えば、自動車メーカーが含まれる「輸送用機器」の業種はPERが低い傾向であるで知られていますが、これは自動車業界が国内ではカーシェアリングの利用が増えたり、あとは為替市場の変動が業績に与えるリスクが大きいことが理由とされています。

    反対に食料品や医薬品などはディフェンシブセクターとしても知られる通り、景気に左右されにくく手元資金も豊富であまりリスクが大きくないためPERは高い傾向となりがちです。

    このようにPERは「将来的な収益期待」「リスク」によっても左右されるため、単純に業種別平均PERだけをみて「この業界は割高!この業界は割安!」と判断するのではなく、その業界のPER傾向を理解したうえで判断すべきかと思います。

    もちろん個別銘柄の割高・割安も、単純な数値だけをみて判断するのは早計です。
    「この銘柄はなんでPER高いのか?」「この銘柄はなぜ低いまま放置されてるのか?」と数値の裏に特別な事情があるかどうかまで考えられるようになればとても素晴らしいと思います!

    と言いつつ個人的にはそこまでなかなかできてないんだけども(笑)

    まぁとりあえず狙った銘柄が同業種の平均PERと比較してどのような水準なのか?を知っておくのは、ある程度は投資判断に役立つのではないかと思います。

    まとめ

    こんな記事を書いておいてなんなんだ!って感じですけど、PERを意識しすぎるのも投資機会を失う可能性があるので、ちょっと注意したいところ。

    例えば人気の高いリーダー銘柄なんかは将来の業績に期待されてどんどん買われて、PERもガンガン高い数値になっていくケースが多いです。ガンガン買われてPERが高くなる→会社の次のガイダンスでPERが修正されてまた低い水準になる→また買われる、この繰り返しは人気銘柄に起こるスパイラルなので「PERが割高だから…」といって敬遠しているとこの波には乗れません。

    なので、個人的にはそこまでPERは意識はしていないのですが、ただ業種別平均PERくらいはまぁチェックしておいてもいいのかなとは思っています。

    業種別PERを把握しておいて「なぜこの銘柄はPERが高くても許されてるのか?」「なぜこの銘柄はPERが低いまま放置されているのか?」とかまで考えて、そこにチャンスを見出せるようになれば個人投資家として一つステージが上がったと言えるのではないでしょうか。

    というわけで今回の記事は以上!
    他にも、次にくる有望テーマ株とか材料株とかを初動で拾えるようにしっかりアンテナを広げておきましょう!

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