こんにちは、かりんです。
2026年11月05日(木)、プーチン大統領が日本たばこ産業(JT)のロシア事業を現地の暫定管理下に置く大統領令に署名したというニュースが報じられました。これを受け翌6日(金)のJT株はストップ安まで売り込まれる事態に。
JTはロシアのたばこ市場でシェアトップ(約37%)を誇り、売上収益としては全社の約10%ほどですが、調整後営業利益ベースだと約25%を占めます。つまり利益の約4分の1をロシア関連で稼いでいたドル箱事業だったわけですが、それが事実上、ロシア側に経営権を奪われる「一時管理」の対象にされてしまった形です。
建前上は「企業の所有権は残る(あくまで一時的な管理である)」とされていますが、過去の他社事例を見ると最終的に国有化されたり、現地企業に割安価格で売却させられたりしているケースもあるようで、実質的には「ほぼ没収」に近いっぽいです。最近のロシアによる対日圧力強化の一環ともみられています。
「いやいや横暴すぎるでしょ…」って感じですが、ガチでこんなことしちゃうんですね。びっくりですよ。
これ、JTだけでなく他の日本企業もリスクある可能性…あるかも?
ウクライナ侵攻後に多くの日本企業がロシアから撤退しましたが、完全撤退できずに事業や資産が残っている企業にとっては「明日は我が身」の強烈なリスクと言えるかもしれません。
すでに撤退済みの企業が多いので該当銘柄はそこまで多くありませんが、今回はJTショックからの連想売り・リスク回避として注意しておきたい「ロシアに事業や拠点が残っている銘柄」をサクッとまとめます。
ロシアリスク関連株(ロシア事業残存銘柄)とは
当ページにおけるロシアリスク関連株とは、ウクライナ侵攻後も完全撤退ができず、現在もロシア国内に事業や工場、権益などの資産が残っている日本企業を指します。
今の相場テーマ的に言うなら「JTショック連想銘柄(警戒銘柄)」と言ったほうがしっくりくるかもしれませんね。
今回JTがやられたように、ある日突然プーチン大統領の鶴の一声で「はい、今日からこの工場と利益はうちの国が暫定管理しまーす」と事実上の経営権剥奪(一時管理)されてしまう特大の地政学リスクを抱えている銘柄群になります。
すでに多くの日本企業はロシアでの事業譲渡や撤退を済ませていますが、業種的に撤退のハードルが高かったり、国策絡みで手放せなかったりして、ズルズルと現地に資産が残ってしまっている企業がいくつかあります。
いたずらにリスクを煽るつもりはありませんが、最近の対日圧力強化のニュースを見る限り、JTショックの連想売りで巻き込まれる可能性は考えられるので、どんな銘柄が該当するのかサクッと把握しておくと良いと思います。
ロシアリスク関連株 一覧
| コード | 銘柄名 | 特徴 | 時価総額(26.11.06時点) |
|---|---|---|---|
| 2914 | 日本たばこ産業(JT) | ロシアたばこ市場でトップシェア(約37%) 調整後営業利益の約4分の1を稼ぐドル箱だが、大統領令により製造会社などがロシア企業の「一時管理」下に 今回のJTショックの震源地 | 12,538,000百万円 |
| 6301 | コマツ | 2022年4月に現地での生産・出荷を停止 ただ当時の情報では現地法人の清算には至っておらず拠点が残っているとされている | 5,308,129百万円 |
| 5101 | 横浜ゴム | ロシア(リペツク)に乗用車用タイヤ工場を保有 ウクライナ侵攻後、一度は生産停止したもののその後稼働を再開(現在も稼働中?) | 1,127,169百万円 |
| 8031 | 三井物産 | ロシア極東の石油・天然ガス開発「サハリン2」の権益を保有(出資比率12.5%) また、JOGMECとの共同出資を通じて北極圏の「アークティックLNG2」にも権益を持つ | 13,234,760百万円 |
| 8058 | 三菱商事 | ロシア極東の石油・天然ガス開発「サハリン2」の権益を保有(出資比率10%) 日本政府の要請もあり権益を維持している状態 | 18,396,802百万円 |
| 8001 | 伊藤忠商事 | 「サハリン1」に関与 同プロジェクトの30%を保有する「サハリン石油ガス開発(SODECO)」に約14.5%を出資しており、間接的に権益を保有 | 17,758,687百万円 |
| 8002 | 丸紅 | 「サハリン1」に関与 同プロジェクトの30%を保有する「サハリン石油ガス開発(SODECO)」に約12.3%を出資しており、間接的に権益を保有 | 7,848,744百万円 |
| 1605 | INPEX | 「サハリン1」に関与 同プロジェクトの30%を保有する「サハリン石油ガス開発(SODECO)」に約6.1%を出資しており、間接的に権益を保有 | 4,297,431百万円 |
| 1662 | 石油資源開発 | 「サハリン1」に関与 同プロジェクトの30%を保有する「サハリン石油ガス開発(SODECO)」に約15%を出資しており、間接的に権益を保有 | 374,964百万円 |
| 9104 | 商船三井 | 「ヤマルLNG」や「アークティックLNG2」など北極圏LNGプロジェクト向けに砕氷LNG船を定期傭船してきた実績あり エネルギー供給網に絡む | 2,365,648百万円 |
(ちなみに私が普段の情報収集でチラ見してるのはこのあたりです↓)
ロシアリスク関連株 ピックアップ
ロシアリスク関連株について軽くピックアップしていきます。
ロシアリスク関連株 2914 日本たばこ産業(JT)

今回のロシアリスク(JTショック)の震源地であり、一番の警戒銘柄です。
JTは言わずと知れた高配当株の代表格で個人投資家にも人気があり、特に新NISAで長期保有する方も多い銘柄ですよね。
JTのロシア事業は売上高では約10%ほどですが、利益(調整後営業利益)では約4分の1を占める稼ぎ頭の事業というのが痛い。これの経営権を一時管理(事実上の剥奪)されちゃったのだから「え?どうなるの?」って感じですよね。JTは筆頭株主が財務大臣(財務省:33%)なので、やっぱり日本政府に対する制裁的意味合いも強いのかな。
いずれにしても正直今後が不透明です。私も長期保有でJTちょっとだけ持ってて今のところ売るつもりはないですが、すぐに回復するかというとわからない。割と厳しい気もします。
ロシアリスク関連株 6301 コマツ

コマツもロシアリスク銘柄として名前が挙がる銘柄。
コマツは2022年のウクライナ侵攻後、ロシアでの生産や出荷は停止しているんですが、現地法人の清算や完全撤退には至っていない模様。2022年以降の情報が見当たらないため、やや不透明ですが、おそらく現在も現地に拠点が残っている状態とみられます。
おそらく実際にロシアによる一時管理対象になるリスクは低いと思いますが、JTの一件があったことで「まだ物理的な資産が残っている=次のターゲットにされるのでは?」という連想売りの対象にはなる可能性はあるかも。しばらく注意しておきます。
ロシアリスク関連株 5101 横浜ゴム

横浜ゴムもロシアに拠点が残る日本企業として名前が挙がる銘柄ですね。
横浜ゴムはロシア(リペツク)の乗用車用タイヤ工場について、侵攻直後に一時生産を停止したものの、その後トルコ経由で調達ルートを確保し、同年8月に最低限の生産を再開したとのこと。現在の状況までは詳しくわからないですが稼働中の可能性も。
単に資産が残っているだけでなく、現地で工場が稼働中ならよりリスクが意識されます。
ロシアリスク関連株 8031 三井物産

三井物産はロシア極東の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」に出資して権益を保有しています(出資比率12.5%)。また三菱商事も同じくサハリン2の権益を保有(出資比率10%)しています。
また「サハリン1」プロジェクトにSODECO経由で関与している伊藤忠商事・丸紅・INPEX・石油資源開発も同様に注意。
これらは日本のエネルギー供給上重要で、日本政府の意向もあって権益を維持してきた経緯があるっぽいですね。
ちなみにどちらのプロジェクトも2022年にプーチン大統領の大統領令でロシアの新運営会社に移行(強制的に)しています。参画する会社はロシア政府の承認を得て、旧会社と同じ出資比率であることが認められているようなかたちのようです。
JTのような一時管理とは仕組みが違いますが、これらもロシア側の判断で条件が変わるリスクは残るので念のため注意。
ロシアリスク関連株 まとめ
ロシアリスク関連株は取り急ぎ以上です。
他に挙げ忘れとかもあるかもしれないけど、まぁ気付いたら追記するかもです。
今回JTはショックからの連想売りで注意しておきたい「ロシアリスク関連株(ロシアに事業や拠点が残っている銘柄)」をまとめました。
それにしても横暴ですよ!プーチン大統領!!
返してよ!JT!!
地政学リスクは予測が難しくて厄介ですが、だからこそ事前に「もしもの時に巻き込まれやすい銘柄」を把握しておくのは大事かも。まぁ頭の片隅に置いておくと良さそうです。
他にも、次にくる有望テーマ株とか材料株とかを初動で拾えるようにしっかりアンテナを広げておきましょう!
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