※このページは2024年05月27日(月)に追記編集しました。
こんにちは、かりんです🥰
さて、直近では電力株がかなり堅調ですね!
電力株の堅調さは生成AIの需要増でデータセンターの電力消費量が今後大幅に増加する見通しであることも要因の一つと言えると思います。
国際エネルギー機関(IEA)では、世界のデータセンターの電力消費量は2026年には2022年比でおよそ2.2倍に膨れ上がると試算した模様。もちろんその後も電力消費量は増え続けるでしょうから、データセンターの省エネ化は待ったなしの急務です。
そこで注目されるのが、データセンター向けの効率的な液体冷却システムです。
データセンターに設置されるサーバーは効率的に冷却することで電力消費を大きく抑制することができます。
これまでのデータセンターは空冷式の冷却システムが一般的でしたが、生成AI向けの高性能なAIサーバーは演算能力もハンパではないため、これらを効率的に冷却するには従来の「空冷システム」ではもはや間に合わなくなってきており、
「空冷で限界なら液体冷却すればいいじゃない😋」
という流れが来てるらしいです。
なので今回の記事では、データセンターのAIサーバーを効率的に冷却する液体冷却関連株について本命株・出遅れ株 一覧をまとめていきます。
当ブログではすでにデータセンター設備関連株を別ページでまとめているので、そちらに一緒にまとめても良かったんですが、ちょっとDC液体冷却関連株は割とボリュームありそうだったし別ページでまとめた方がわかりやすいと思ったので!
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データセンター液体冷却関連株とは
データセンター液体冷却関連株とは、データセンター向けの高効率な液体冷却システムに関連する銘柄の総称です。
従来のデータセンターで一般的だったのは、サーバールーム内の熱を空気で取り除く「空冷システム」でしたが、空気は熱容量が小さいため冷却効率が低く冷却するためにたくさんの電力を消費してしまいます。
対して、液体冷却システムは空気よりも熱容量の大きな液体を用いて効率的に熱交換を行うため冷却効率が非常に高いです。
液体冷却システムは空冷システムに比べて20%~40%の電力消費削減が報告されているケースが多く、モノにもよっては冷却電力の90%以上削減を謳うものもあるくらい。
生成AIなどの需要増によってデータセンターの電力消費量は年々増えていく見通しですので、データセンターの省エネ化は急務。そのために従来の空冷システムにとって代わる「液体冷却システム」の需要も大幅に伸びる公算が高いはず。
データセンターの需要増と比例して、液体冷却システムの需要も伸びると思われますので、株式市場でも注目しておきたいテーマです。
データセンターの液体冷却システムの種類
データセンターの液体冷却システムには大きく分けて「液冷方式」と「液浸方式」というのがあります。それぞれの違いは以下の通り。
冷却液が直接熱源に触れるため非常に効率的に冷却できる。
またサーバー内部の熱を冷却プレートや冷却コイルを通じて間接的に冷却液に伝える方式もある。
大規模な空調設備が不要になるため、データセンター内のスペースを有効活用できる。
サーバー全体が冷却液に包まれるため非常に効率的に冷却できる。液冷方式よりも高効率。
ファンやヒートシンクが不要になるためサーバーの設計が簡素化されスペース効率も非常に高い。
特徴 | 液冷方式 | 液浸方式 |
---|---|---|
冷却効率 | 高い | 非常に高い |
導入コスト | 中程度 | 高い |
スペース効率 | 高い | 非常に高い |
液冷方式、液浸方式はどちらも液体冷却システムなので空冷システムに比べればどちらも高効率ですが、冷却効率だけでいえばサーバーまるごと液体にひたす液浸方式の方が高効率のようです。
またどちらも大規模な空調設備が不要になるためデータセンター内のスペースを有効活用できますが、液浸方式のほうがより設計を簡素化できるようなのでスペースの有効活用も得意。限られたスペースでよりたくさんのサーバーを置けるってことですね。
性能面では液浸方式のほうが優れていますが、導入コストや既存システムのアップグレードという面では液冷方式の方にメリットがあります。液冷方式は、既存のラックやサーバー配置構造を大幅に変更することなく導入可能なものもあるらしいので、既存データセンターのアップグレードに適した方式と言えるかも。
液浸方式は非常に高い冷却効率、設計の簡素化などメリットも多数ありますが、既存システムに適応させることが液冷方式よりも難しく導入コストも高いので新たなデータセンターを新設する際に主流になるかもしれません。
液冷方式、液浸方式どちらもそれぞれに特徴がありますので、今後のデータセンターにおいてどちらもケースバイケースで採用されていくのではないでしょうか。
データセンター液体冷却関連株 一覧
コード | 銘柄名 | 特徴 | 時価総額(24.05.24時点) |
---|---|---|---|
7011 | 三菱重工業 | KDDI、NECネッツエスアイと液浸冷却システムを共同開発 | 4,454,902百万円 |
9433 | KDDI | 三菱重工、NECネッツエスアイと液浸冷却システムを共同開発 | 9,906,268百万円 |
1973 | NECネッツエスアイ | 三菱重工、NECネッツエスアイと液浸冷却システムを共同開発 | 334,032百万円 |
5020 | ENEOSホールディングス | 三菱重工、KDDI、NECネッツエスアイの液浸冷却システムに冷却用油を供給? | 2,343,180百万円 |
6594 | ニデック | 米スーパーマイクロ社とサーバーの水冷モジュールを共同開発 | 4,741,654百万円 |
6702 | 富士通 | 液浸冷却システム 液体と空気によるハイブリッド冷却技術 | 4,833,967百万円 |
9432 | 日本電信電話 | NTTコミュニケーションズが液冷却方式のサーバー機器に対応し超省エネ型冷却環境を実現する「Green Nexcenter」の展開を2024年度内に開始(予定) | 13,817,978百万円 |
9613 | NTTデータグループ | 既存データセンターで活用可能なラック型液浸冷却システムを三菱重工と構築 | 3,481,706百万円 |
6361 | 荏原 | 米国・空調機器メーカとの業務提携によりデータセンター向けチラー(冷却器)用の特殊仕様ポンプの開発 | 1,130,266百万円 |
6584 | 三桜工業 | データセンター内のサーバーラックの背面に取り付ける水冷冷却装置を開発 | 37,149百万円 |
6670 | MCJ | グループ会社テックウインドが水冷対応のインテル社の高密度実装が可能なラックマウント型サーバーを提供 | 138,312百万円 |
8053 | 住友商事 | 住友精密工業が液体冷却に匹敵するほどの空冷システムを実験中? | 4,977,947百万円 |
データセンター液体冷却関連株 本命株・出遅れ株
それではデータセンター液体冷却関連株の本命株・出遅れ株をピックアップします。個人的な主観コミなのでその点はご理解ください😋
データセンター液体冷却関連株 本命株 7011 三菱重工業
データセンター液体冷却関連株で本命株としてピックアップしたいのは三菱重工業ですね。
三菱重工はデータセンター向けのサーバー冷却技術を成長分野に位置づけており、KDDIとNECネッツエスアイと共同で、一般的な空冷方式に比べて冷却にかかる電力消費量を94%削減する「液浸冷却技術」を開発しています。三菱重工は液浸のシステムと外気で液体を冷やす装置を担当したようです。
三菱重工、KDDI、NECネッツエスアイなどの液浸冷却システムは2024年度以降に発売する計画のようです。
また三菱重工は既存データセンターで活用可能な「ラック型一相式の液浸冷却システム」も開発しており、こちらはNTTデータの既存データセンター設備への導入適応性が高いということで2023年に実機実証を行っています。
その結果、冷却にかかるエネルギーを自社ビル基準において92%削減、運用性も173%向上することが確認されたとのこと。
新規データセンターとの相性が良い液浸冷却システムに加えて、既存データセンターにも適用できる液浸冷却システムも手掛けているのはさすがですね。
さらに三菱重工は2023年09月に「ダイレクトチップ液体冷却技術」の開発・提供を手掛けるスタートアップ企業「ズータコア(ZutaCore)」に出資し、同社技術のホワイトラベル販売を行う契約を締結しています。ZutaCore社が提供するダイレクトチップ液体冷却技術と自社の製品・技術を掛け合わせ、データセンターの課題解決に向けたワンストップソリューションの提供を目指すとしています。
それにしても三菱重工は防衛関連、宇宙関連、核融合関連などなどとにかくテーマ性豊富ですね。DC向け液体冷却システム関連株として注目です。
データセンター液体冷却関連株 本命株 6594 ニデック
ニデックはAIサーバー関連株のまとめ記事でもピックアップした銘柄。ニデックは米スーパーマイクロ社とサーバーの水冷モジュール機器を共同開発している銘柄。
2024年04月15日(月)の大引け後には、Supermicro社への採用を受けてデータセンター向け機器水冷モジュールを生産するタイの拠点において生産ラインを増強すると発表しています。
2024年6月には現在の10倍の月2000台に引き上げるとのこと。将来的には月3000台以上に能力を増強することも検討するようです。ニデックは同関連製品のマーケット規模について2023年度100億円、2024年度には800億円以上を見込んでいるとのこと。
外販AIサーバーで高いシェアを誇るスーパーマイクロコンピューターと組んで冷却モジュールを生産している点は強みといえそう。データセンター向け液体冷却関連株の本命株として注目です。
データセンター液体冷却関連株 本命株 6702 富士通
液体冷却システムでは富士通も関連株です。富士通はスパコン銘柄としても知られていますね。
富士通はもともと銅などの金属プレートに水を通して間接的に液体冷却させる技術をもっていましたが、液浸冷却システムも開発しており、2018年に省エネ大賞、地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞した実績があります。富士通はもともとサーバーの冷却装置で実績がある銘柄ですのでこちらも注目です。
データセンター液体冷却関連株 本命株? 9432 日本電信電話
NTTもデータセンター液体冷却関連株として注目。
NTTのグループ会社NTTコミュニケーションズでは、直接液冷方式のサーバー機器に対応し、超省エネ型冷却環境を実現する「Green Nexcenter」の展開を2024年度内(予定)に開始するみたいですね。直接液冷方式を国内のデータセンターで提供するのは国内初になる見通しだそうです。
まず神奈川県の「横浜第1データセンター」の一部スペースで設備を入れ替え、2024年度の第4四半期をめどに提供。2025年度には京都府の「京阪奈データセンター」でも対応設備を導入する計画のようです。
データセンター液体冷却関連株 出遅れ株 6584 三桜工業
三桜工業もデータセンター液体冷却関連株として注目。三桜工業は自動車向けの各種チューブや配管などを手掛ける銘柄ですが、サーマルソリューション(熱交換器製品)も注力分野のひとつとしており2024年02月14日にデータセンター向け水冷冷却装置を開発したことを発表しています。
三桜工業の水冷冷却装置はデータセンター内のサーバーラックの背面に取り付ける「リアドア式冷却機器」と呼ばれるもので、サーバーから放出される熱をパイプ構造に水を還流する仕組みで熱交換するもの。すでに大手データセンター事業者の協力を得て、現場での性能検証を実施済だそうです。
ラック単位で取り付けられる水冷機器なので、既存データセンターのアップグレード向けですかね。三桜工業は時価総額規模も小さめですし値動き的に面白そうですね。
データセンター液体冷却関連株 出遅れ株 6361 荏原
ポンプの総合メーカー荏原。荏原の北米のグループ会社「EBARA Pumps Americas Corporation(EPAC)」は2020年に米国の暖房、換気および空調機器を展開する大手空調機器セットメーカと業務提携契約を締結し、データセンター向けチラー(冷却器)用の特殊仕様ポンプの開発を行っています。
液体冷却システムにはポンプも必要でしょうからね。こちらも注目か。
データセンター液体冷却関連株 出遅れ株 6670 MCJ
マウスコンピューターで知られるMCJ。こちらは子会社のテックウインドが水冷対応のインテル社の高密度実装が可能なラックマウント型サーバーを提供しているので一応こちらも注目か。
データセンター冷却関連株 8053 住友商事
住友商事はちょっと遠いし、そもそも液体冷却システムでもないのですがちょっと気になったのでピックアップしておきます。住友商事のグループ会社で航空宇宙機器や油圧機器、熱交換器などを手掛ける住友精密工業って会社があります。
住友精密工業は産業用熱交換器のトップメーカーで、高性能空冷方式の冷却装置を手掛けているんですが、この高性能空冷機器は、本来水冷環境を導入しなければならない高消費電力CPU及びGPUサーバーも、従来の空冷型データセンターに設置することが可能となるものらしい。
住友精密工業は「エクストリーム-D」というデータセンター事業などを手掛ける会社と共同で、高性能空冷方式の冷却装置の実証実験を行っており2024年6月には実証実験を終えるらしい。実証実験をクリアすれば、その後製品化に向けて両社で開発を続けて行く予定とのこと。
液体冷却にしなくても空冷でも同程度のパフォーマンスを得られるなら、それも需要がありそうですね。親会社の住友商事の株価に影響を与えることはおそらくないと思いますが、せっかく調べたので書いておくってだけ。
データセンター液体冷却関連株 5020 ENEOSホールディングス
2024年05月27日(月)追記
ENEOSホールディングスもデータセンター液体冷却関連株に一応ピックアップしておきますね。
ENEOSホールディングスはサーバー用の液浸冷却液「ENEOS IXシリーズ」を手掛ける銘柄。ENEOSの液浸冷却液は三菱重工業、KDDI、NECネッツエスアイが共同開発する液浸冷却システムの試験運用にも採用されています。
また、ENEOSホールディングスは米国でデータセンター向け液浸冷却を手掛けるリーダー企業「GRC(グリーン・レボリューション・クーリング)」のElectroSafeRFluid(エレクトロセーフ・フルイド)パートナープログラムに参加しており、GRCと共に液剤開発を研究・推進することで、より安全な液剤運用を実現し、より広範なデータセンターエコシステムに付加価値を提供することに貢献する、としています。
データセンター液体冷却関連株 まとめ
データセンター液体冷却関連株については以上です。
データセンター向けではなくサーバー単体向けの液体冷却装置(水冷ワークステーション・水冷式スパコン)の関連株は、AIサーバー関連株のまとめ記事にもあるので良かったら併せてチェックしておくと良いかも。
データセンター向けの液体冷却システムは、生成AIやデータセンターの需要増に比例して市場が拡大していくと思われますので、関連銘柄は把握しておくと良さそうですね!
他にも、次にくる有望テーマ株とか材料株とかを初動で拾えるようにしっかりアンテナを広げておきましょう!
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こんにちは、今後半導体銘柄に継ぐ、デ-タセンター銘柄として、デル・テクノロジーズの銘柄は持っていますが、省エネルギー銘柄として高砂工業の空冷式を検討していましたが、かりんさんの水冷式の話しを聞き、時価総額の低い三桜工業に興味を持ちました 今、孫さんの壮大なスケ−ル話しとそれに関連するァ−ムの株にするか迷っています
かりんさんの名前は私の姪っ子と同じ名前なので
親しみを感じます