※この記事は最後に2024年07月09日(火)に追記編集しました。
こんにちは、かりんです🥰
2024年06月07日(金)、政府はサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に関する有識者会議の初会合を開きました。岸田総理は可能な限り、早期に関連法案を取りまとめるよう指示したとのこと。
能動的サイバー防御とは、政府機関や電力、通信、空港などの重要インフラシステムを平時から常に通信監視し攻撃の予兆を検知した際には、攻撃サイドのサーバーに侵入してシステムを無害化する措置のことです。
通常、サイバーセキュリティといえば攻撃を遮断・無害化するもので「防戦」が基本となりますが、この場合は圧倒的に「攻撃者」が有利です。攻撃者が一方的に有利な状況から、防衛者優位へと変革するのが「能動的サイバー防御」ってこと。
すでにアメリカやドイツなどでは能動的サイバー防御が導入されていますが、日本では憲法が保障する「通信の秘密」や、ほかにも「不正アクセス禁止法」などとの整合性が課題となっている状況です。
そこで政府っちが有識者会議を開き関連法案を整備しようとしているわけですね。
能動的サイバー防御は、広義ではサイバーセキュリティ関連銘柄や防衛関連銘柄の一部なわけですが別ページでまとめた方がわかりやすいかなぁ、ということでこのページでまとめてみます。
当ブログでは、すでに「サイバーセキュリティ関連株」や「防衛関連株」もまとめていますので、そちらも併せてぜひチェックしてみてください。
サイバーセキュリティ関連株 本命株・出遅れ株 一覧はコチラ≫
防衛関連株 本命株・出遅れ株 一覧はコチラ≫
と、いうことで今回は能動的サイバー防御関連株について本命株・出遅れ株・一覧です😋
能動的サイバー防御関連株とは
能動的サイバー防御関連株とは、サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」に関連するサービスや製品を手掛ける関連銘柄の総称です。
「先手必勝」という言葉もありますので先制攻撃が有利なのはサイバーの世界に限ったことではないかもしれませんが、サイバー空間においては特に攻撃サイドが圧倒的に優位です。
サイバー攻撃は「いつでも・どこからでも・誰でも・安価で」行うことが可能で、なおかつ移動時間も不要、攻撃サイドの素性も知られないなど、とにかく有利。
攻撃側は大きなリソースを消費することなく攻撃できてしまい失敗してもそれだけです。
例えば数十万件、数百万件を攻撃して1つでも成功できれば儲けものという状況なのですね。
この状況を変えるために導入が検討されているのが「能動的サイバー防御」です。
能動的サイバー防御では、攻撃を検知すると相手側のサーバーを特定、無力化する措置を行ったり、場合によっては攻撃を受ける前に攻撃者と疑われるサーバーに侵入し無力化するため、攻撃側にも「情報を知られる」というリスクを負わせることができます。
すでにアメリカやドイツでは導入されているようですが、日本では憲法で保障されている「通信の秘密」や「不正アクセス禁止法」がありますので、このあたりの法整備をしないといけないみたい。
昨今では海外からのサイバー攻撃も増えていますし、政府機関や最重要インフラなどへのサイバー攻撃は未然に防げるようにした方が安心ですが、法整備を逆手にとって国民の通信状況を常時監視するみたいな、監視社会になったらどうしよう…と少し怖い部分もありますね。
ちなみに能動的サイバー防御は、ほかにも「積極的サイバー防御」とか「アクティブサイバーディフェンス」とかとも呼ばれるみたいです。
日本では内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を改組し、情報収集や分析、対処を調整する司令塔組織を設け、その下に協議体を作るようです。米国土安全保障省のサイバー・インフラ安全保障局が設立した官民の枠組み「JCDC」を参考にして防御力強化を図るとのこと。
能動的サイバー防御は、法整備もまだですし導入されるか未定とはいえ、日本のサイバー防衛能力のヨワヨワさに懸念を抱く米国の強い要請もあるらしいので、おそらく法整備して進められそうかなと思います。
※2024年07月09日(火)追記↓
2024年07月09日(火)、政府は能動的サイバー防御について、外国から国内への通信への通信上方を取得し監視する方向で調整に入ったと報じられました。対象は電力会社などの重要インフラ事業への通信に限り、事業者の事前同意を得る案が出ているようです。
能動的サイバー防御関連株 一覧
コード | 銘柄名 | 特徴 | 時価総額(24.06.07時点) |
---|---|---|---|
3040 | ソリトンシステムズ | 子会社「株式会社サイバー防衛研究所」を立ち上げ能動的サイバー防御ソリューションの研究開発を推進 | 22,660百万円 |
4847 | インテリジェント ウェイブ | 攻撃早期監視技術・ファイル無害化技術などアクティブサイバーディフェンス(能動的サイバー防御)ソリューション | 27,236百万円 |
3927 | フーバーブレイン | 韓国で群や政府機関に能動的防御監視システムを導入するクワッドマイナー社の日本法人に資本参加 | 5,908百万円 |
3692 | FFRIセキュリティ | 攻撃者の思考や手法を熟知したサイバーセキュリティ技術 標的型攻撃のセキュリティ対策に特化 | 14,537百万円 |
4258 | 網屋 | ログデータ管理ソリューション・サイバー攻撃や内部不正の監視ソリューション | 8,987百万円 |
4417 | グローバルセキュリティエキスパート | サイバーセキュリティコンサル・教育事業など 米クラウドストライクパートナー | 42,573百万円 |
4493 | サイバーセキュリティクラウド | AIを活用しサイバー攻撃を可視化・遮断するクラウド型Webセキュリティサービス「攻撃遮断くん」 | 21,576百万円 |
2467 | バルクホールディングス | イスラエルのサイバージム社と共同で独自のサイバー環境を模したサイバーセキュリティトレーニング施設の運営 | 3,189百万円 |
3857 | ラック | セキュリティ監視・運用サービス | 23,470百万円 |
4307 | 野村総合研究所 | 子会社NRIセキュアテクノロジーズがサイバー攻撃の能動的な可視化「マネージドEDRサービス」 | 2,414,954百万円 |
4704 | トレンドマイクロ | サイバーセキュリティ大手 行政機関向けサイバー犯罪調査・捜査トレーニングも | 1,000,013百万円 |
4498 | サイバートラスト | SBテクノロジー傘下 統合システム監視ソリューションMIRACLE ZBX | 13,961百万円 |
153A | カウリス | 不正アクセス検知クラウド「Fraud Alert」 | 2,358百万円 |
7011 | 三菱重工業 | 産業制御システム向けセキュリティ対策ソリューション「インターセプト(InteRSePT) | 6,747,296百万円(24.07.09時点) |
6701 | NEC | NISCの協力企業 防衛省・自衛隊にサイバーセキュリティ教育など | 3,768,057百万円(24.07.09時点) |
ほとんど別ページでまとめている「サイバーセキュリティ関連株」にも取り上げている銘柄ですが、特に能動的サイバー防御に絡んできそうな銘柄を考えてピックアップしてみました。
それと「重要インフラ事業者にネットワークの監視のためセンサーの設置を求める」という可能性もあるようですので、センサーを手掛ける銘柄も今後追記するかもです。
それから能動的サイバー防御の導入に向けた協議体の中核となる内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の現時点(24.06.07)での協力企業をあげておきます。
3632 グリー
9433 KDDI
9434 ソフトバンク
4324 電通グループ
4704 トレンドマイクロ
6701 NEC
2121 MIXI
4689 LINEヤフー
正確にはNISCを改組して新たな体制にするらしいので、協議体の中核となるのはNISC後継組織らしいですけどね。また電力や通信などの重要インフラ事業者も協議体に含まれるようです。
能動的サイバー防御関連株 本命株・出遅れ株
能動的サイバー防御関連株の本命株・出遅れ株をピックアップしておきますね。この項目は個人的な主観を含むので参考程度にお願いします😋
能動的サイバー防御関連株 本命株 3040 ソリトンシステムズ
能動的サイバー防御関連株としてソリトンシステムズに注目。ソリトンシステムズはセキュリティ対策ソフトやシステム構築を手掛ける銘柄で、サイバーセキュリティ関連株ですね。
ソリトンシステムズは2024年03月14日にサイバー安全保障および重要インフラ向けプログラムの開発・研究を行う子会社「サイバー防衛研究所」を設立しています。サイバー防衛研究所では、米国始めグローバルにおいて、サイバー関連コンサルで実績のあるNextPeak社共同創業者であるGreg Rattray博士を社外取締役として迎え、大学や企業と協力し国家安全保障戦略に記載された「能動的サイバー防御」ソリューションの研究開発を推進するとのこと。
ちなみにNextPeak社は、米国空軍サイバー運用実務、金融大手のJPモルガンチェースにおけるサイバーセキュリティ実務にCISO、CSOとして従事したGreg Rattray博士とJim Cummingsが共同で設立したコンサルティング会社みたいですね。
明確に能動的サイバー防御向けのソリューションを研究開発するミッションを掲げていますので、関連株として注目したいと思います。
能動的サイバー防御関連株 本命株 4847 インテリジェント ウェイブ
インテリジェントウェイブも関連株の一角として注目。インテリジェント ウェイブはアクティブサイバーディフェンス技術として「ファイル無害化ソリューション:Resec」や「攻撃早期監視技術」を提供しています。
攻撃の兆候を監視・検知するソリューションもファイル無害化も能動的サイバー防御の要となる技術ですし、こちらも関連銘柄の一角として注目ですね。
能動的サイバー防御関連株 本命株 3927 フーバーブレイン
セキュリティソフトの開発などを手掛けるフーバーブレインは2024年03月26日に、韓国のサイバーセキュリティ企業「クワッドマイナー」と共に、日本法人クワッドマイナージャパンに資本参加し、クワッドマイナージャパンをグループに迎えると発表しています。
クワッドマイナーは韓国軍や重要インフラのサイバー防衛の一翼を担う企業で同社が提供するNDR(Network Detection and Response)ソリューション製品「Network Blackbox」は、韓国軍や政府機関に「能動的防御監視システム」として導入された実績があり、ほかにもグローバル市場においてメガバンク、大手企業等への導入実績があるようです。
フーバーブレインと韓国クワッドマイナー、クワッドマイナージャパンの3社でで、「Network Blackbox」を代表とした Quad Miners Co., Ltd.の先進セキュリティソリューションの国内市場での販売拡大に取り組むとのこと。
政府機関向けに他国製のセキュリティ製品が導入されるのは考えにくいですが、こちらも能動的サイバー防御銘柄の一角として注目ですかね。
能動的サイバー防御関連株 本命株 3692 FFRIセキュリティ
※2024年06月08日(土)追記
FFRIセキュリティも能動的サイバー防御関連株として注目。FFRIは純国産のサイバーセキュリティコア技術の研究開発を行うセキュリティベンダー。「サイバー攻撃を行う側」の技術を研究することでその対策技術を開発するオフェンシブセキュリティのアプローチで研究開発を行っています。
オフェンシブセキュリティの考え方は能動的サイバー防御と近しいと思いますし、FFRIセキュリティのセキュリティ製品「FFRI yarai」は既に販売パートナーを含むSI企業のパートナーを通して、数多くの中央省庁・官公庁・重要インフラなどでご採用されているようです。
こちらも能動的サイバー防御関連株として注目。
能動的サイバー防御関連株 本命株 2467 バルクホールディングス
※2024年06月08日(土)追記
バルクホールディングスも注目。バルクホールディングスは実践型サイバーセキュリティトレーニング施設の運営・提供、サイバーセキュリティソリューションサービスの提供などを手掛ける会社。
バルクホールディングスは事業パートナーであるイスラエルのサイバージム社と共同で独自のサイバー環境を模したサイバーセキュリティトレーニング施設の運営を行っており、重要インフラセクターの民間企業や政府機関等を中心にサイバートレーニングを提供しています。
重要インフラ・政府機関を中心に世界レベルの実践型サイバーセキュリティトレーニングを行っている点は注目ですね。時価総額規模も小さいですし、値動き的にも面白い銘柄。
能動的サイバー防御関連株 本命株 4307 野村総合研究所
※2024年06月08日(土)追記
野村総合研究所の子会社NRIセキュアテクノロジーズはサイバー攻撃の能動的な可視化「マネージドEDRサービス」を提供している点に注目。時価総額規模大きいしあまり株価動かないかもしれないけど、一応。
能動的サイバー防御関連株 思惑株? 4417 グローバルセキュリティエキスパート
※2024年06月08日(土)追記
グローバルセキュリティエキスパートは民間企業や官公庁向けに情報セキュリティ・サイバーセキュリティの実装・運用支援をワンストップで提供する「コンサルティング事業」「ソリューション事業」を手掛けている銘柄。
また米国のサイバーセキュリティ企業のクラウドストライク者のパートナー企業で、標的型攻撃をリアルタイムに判断・検知するエンドポイント保護ソリューションも提供しています。サイバーセキュリティ銘柄の代表的銘柄なので、こちらも注目しておきたいですね。
能動的サイバー防御関連株 出遅れ株? 4493 サイバーセキュリティクラウド
※2024年06月08日(土)追記
サイバーセキュリティクラウドも代表的なセキュリティ関連株ですね。同社はAIを活用しサイバー攻撃を可視化・遮断するクラウド型Webセキュリティサービス「攻撃遮断くん」を提供している銘柄。攻撃遮断くんはサーバにアクセスしようとするすべての通信をチェックし不正アクセスを検知した場合は該当アクセスを遮断する仕組み。直球なネーミングでややダササもありますが、導入サイト数は20,000以上でクラウド型WAF(Web Application Firewall)としては国内シェア首位。
能動的サイバー防御関連株 思惑株? 153A カウリス
※2024年06月08日(土)追記
カウリスは2024年03月28日に上場したばかりの直近IPO銘柄ですね。カウリスは不正アクセス検知サービス「Fraud Alert(フロードアラート)」を開発・提供しています。不正アクセスや異常を検知するソリューションは能動的サイバー防御においても要となる部分だと思います。
またカウリスは金融機関向けのマネーロンダリング対策やフィッシング対策の支援も行っています。重要インフラである電力会社と協業して、金融機関がもつ顧客情報と電力会社の契約データを照らしあわせて、空き家の確認、名義人の整合性をチェックすることで不正な取引を未然に防ぐというなかなか斬新なサービスも。
能動的サイバー防御銘柄としては思惑的な銘柄にとどまるかもですが、個人的には電力会社との協業や不正検知サービスは面白いなぁと思っています。
能動的サイバー防御関連株 本命株 7011 三菱重工業
※2024年07月09日(火)追記
能動的サイバー防御関連株に、防衛関連銘柄の大本命「三菱重工業」もピックアップしておきます。
三菱重要では「産業制御システム向けセキュリティ対策ソリューション「インターセプト(InteRSePT)」を提供しています。インターセプトは重要インフラおよび製造設備の制御システムをサイバー攻撃から守るソリューションで制御ネットワークに流れるデータを統合的に監視、分析し、三菱重工独自の 「ふるまい検知」により制御信号への標的型サイバー攻撃の検知が可能となっています。
ふるまい検知とは制御ネットワークに流れる指令やセンサ値を収集・分析、機器の挙動を監視し、正常ではないふるまいを検知するもの。従来の技術では対応が困難だった制御信号への標的型 サイバー攻撃に対応できるらしい。
現時点で三菱重工のインターセプトに、攻撃側サーバーを特定したり無力化する能力が備わっているとは記載がありませんが、サイバー攻撃を検知する部分は能動的サイバー防御でも重要なポイントです。能動的サイバー防御の本格的な導入で、三菱重工が関連ソリューションを提供してくる可能性は十分ありえるのかなぁと思います。
また、重要インフラ向けのサイバーセキュリティソリューションを提供している点も注目ポイントですね。
能動的サイバー防御関連株 本命株 6701 NEC
※2024年07月09日(火)追記
NECも能動的サイバー防御関連株として注目しておきたいです。
NECも防衛関連株の一角としてピックアップした銘柄で、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の協力企業でもあります。
NECはグループに「NECセキュリティ」というサイバーセキュリティの専門会社があり、こちらが中核となりさまざまなサイバーセキュリティ対策を提供しています。
また、NECは2019年度から陸上自衛隊通信学校向けに部外委託教育を提供している点も注目。現在(2024年03月)までに高度サイバーセキュリティ教育を複数回計9回開催するなど、防衛省・自衛隊のサイバーセキュリティ人材の育成に貢献しています。今後も防衛省をはじめ国内外の政府機関や重要インフラ企業などへのサイバー防御の演習、製品・サービスの提供するとのこと。
NECは、現時点で能動的サイバー防御に関する明確な動きは確認できませんでしたが、こちらも防衛省・自衛隊・重要インフラ向けなど国防に近いサイバーセキュリティでは、重要な役割を担う可能性が高そうです。
能動的サイバー防御関連株 まとめ
とりあえず能動的サイバー防御関連株については以上ですが、今後も追記する余地がありそうなテーマかなと思います。
政府としても、割と喫緊の課題っぽいので今後は続報くる可能性がありそうですね。注目しておこ。
他にも、次にくる有望テーマ株とか材料株とかを初動で拾えるようにしっかりアンテナを広げておきましょう!
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