こんにちは、かりんです🥰
2024年09月20日(金)に行われた日銀金融政策決定会合(その後の植田総裁の会見)についてまとめます。
2024年09月20日(金) 日銀政策決定会合 要点
・政策金利は無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.25%程度で推移するよう促す。
今回は大方の予想通り、全員一致で現状維持ですね。
まぁ前回のトラウマもあるだろうし、そもそも利上げは急ぐべきではなかったという意見もありますし。
2024年09月20日(金) 植田総裁による会見 質疑応答
続いて、植田総裁の質疑応答についてざっくりと。聞き逃したのもあります。まぁ参考程度に。
金融市場が不安定かどうかを判断できる条件は?
米国をはじめとする海外経済の不透明感は引き続き高い。
海外経済の状況もしっかりとみていく。
足元の円高により為替による物価上昇リスクは低下している
金融市場が不安定かどうかを判断する時間的余裕はある。→ 「利上げは急がない」と市場に判断されそう。
今後アメリカが利下げをすれば円高になるけど?
米国経済も丁寧に分析していく
米国がソフトランディング的な動きになるのか、もう少し厳しめの調整になるのか見極める。
FRBが0.5%の利下げをしたけど総裁はどう思う?
消費、支出は強い。労働市場は弱め。
米国がソフトランディングになるのかそうでないのか、まだ判断できない。
基調的な物価の上振れリスクがありそうだけど?
我々の見通し通りに動いてきている。
経済物価のデータがオントラックで推移するなら利上げするのか?
基本的にはその考えで変わりはないが、どのくらい見通し通りの推移が続けば利上げをするのか?という決まったスケジュール感はない。ある程度まとまった情報がでて判断できたところでやるしかない。
中立金利は1%?
中立金利の推計は幅があり、幅のなかのどこか?というのは判断できていない。
ここまでに行った2回の利上げの影響をみつつ判断していく。
今後の経済データの注目点は?
10月のサービス価格の改定時期に、賃金にどれだけ反映されるかは注目している。
最低賃金への影響も注目。
あとは来年の春闘にむけてどういう動きが始まるか。
市場とのコミュニケーションに総裁は課題があると思ってるか?
経済物価動向見通しの確度が上がれば適宜、金融緩和の度合いは調整すると繰り返し述べてきているが、7月の会合後の暴落は日銀の認識と市場の認識に開きがあった可能性がある。今後も丁寧に説明していく。
為替が円高に推移しているが、どうお考え?
為替の水準については具体的なコメントは避けるが、輸入物価の上昇による物価の上振れリスクは低下したと考えておる。
日銀の政策金利の見通しと市場の見通しに乖離があると思うが?今後は市場とのコミュニケーションで乖離を埋めていくのか?
政策姿勢を丁寧に説明していくしかない。
長い間、ゼロ金利、マイナス金利が続いていたところ本格的にプラスに移っていくフェーズなのでより丁寧に説明していく。
金融市場の乱高下が実体経済に影響を与えているのではないのか?
株価については一時的な影響であった、無視できるレベルのものだったと判断している。
今後の追加利上げでどのあたりで中立金利がどのくらいかを見通せるようになるのか?
具体的な数値はコメントを避けるが、利上げが進めば、その影響を見極めつつやっていく。
足元の物価、想定より上振れしてるんじゃないの?先行きの物価の見通しについても教えて
今朝のCPIのデータでいえば少し前より上振れしているが、米や一部の輸入材が値上がりしているが、これらはしばらくすれば落ち着くとみている。
追加利上げに関して特に重視しているデータは?
・秋以降の賃金動向
・サービス価格の賃金への転嫁が続いていくのかどうか
・来年の春闘に向けた動き
・消費が堅調かどうか
自民党総裁選の候補の何名かから今は利上げすべきではないと声がでてるが、どう思っている?
ひとりひとりの候補に関してコメントは差し控える。
新政権とはこれまで同様に意思疎通を図っていく。
円高に進んだことによる物価の下振れリスクはどう考えている?
背後にあるアメリカ経済がどうなっていくのか?という見極めのなかで、為替レートの動きを注視・判断していく。とりあえず10月の展望レポートでまとめる。
賃金や消費動向を重視するといったが、以前は需給ギャップを挙げていたが、最近は需給ギャップって言葉使わないけど、もう重視していないの?
需給ギャップの供給サイドで大きな動きが起こるとは思っていない。
総需要をみれば需給ギャップの動きがだいたいわかると思っている。
消費と設備投資を丹念にみていく。
公表文から先行きの金融政策運営方針の言及がなくなっているけど、これは市場とのコミュニケーション不足ではないのか?
今回新たにそうしたわけでなく、6月も公表文に先行きの金融政策方針の記述を省いている。
3か月に一回の展望レポートに記述することにしている。それについての変更がない場合は、展望レポート以外の回では省く。
問題があるようであれば改善する。
海外の中央銀行が利下げに転じる中で、日銀が利上げすることに対するリスクは?
一般論として各国の金融政策はそれぞれ自国の経済物価を安定させることを目指して決定している。
経済動向が異なれば、金融政策も異なる。
各国との金融政策の乖離がどう作用していくかは、今後しっかり見極めていく。
米国のソフトランディングが実現するのであれば、そこまで大きな悪影響はない。
ソフトランディングにならないようであれば、予断を待たずに判断していく。
日米の金利差縮小を考えると、今後は円高に進むと思われるが過度な円高は企業収益を圧迫するし、賃上げにも影響するのではないか?賃金と物価の好循環に影響は出ると考えるか?
為替市場の背後にはアメリカの経済状況があり、その動向によって日本の経済にも影響を与える。
緩和的な金融環境を長く続けるのか?
2%の物価目標を持続的安定的に目指していくだけ。それを目指して金融緩和の度合いを調整するだけ。
中小企業はどうなる?
賃金動向でみると、必ずしも中小企業が弱いというわけではない。
ただボーナスの寄与度が高く、持続性がどうか?という問題はあり、その点も注視していく。
植田総裁はなぜ今2%インフレ目標が必要と考えるか?
2%目標を達成するために2回利上げしたが、まだ中立金利には達していない。
基調的物価上昇率がまだ2%を下回っていると考えているから。(質問に答えてなかったw)
さっき「政策判断をする時間的余裕がある」って言ったけど、じゃあ10月の追加利上げはないってこと?
特定の会合に向けて、金融政策変更があるかないか、事前に申し上げることは避ける。
その都度のデータをみて判断することに変わりない。
アメリカ経済がソフトランディングするというのが日銀のメインシナリオ?
ソフトランディングをメインシナリオとみている。
だが8月以降のアメリカ経済のデータは少し弱く、リスクは少し高まっていると考えている。
為替レートを意識して日銀が金融政策を調整しているのは明白なのに、なぜ経済物価見通しの観点でしか説明しないの?むしろ為替をコントロールするべきでは?
日銀は為替を直接安定化、コントロールするために金融政策を用いるのではない。
為替の経済物価見通しに影響を与える場合には金融政策を発動する。
年内、もう一度利上げはできそう?
足元の日本経済のデータは見通し通りに推移しているが、米国経済を中心とする世界経済の不透明感は今後の見通しに不透明感を与えている。
なので、足元がオントラックだといって直ちに利上げだ、とはならない。
総裁が考える、金融政策が為替を目的とするデメリットは?
結果的に物価コントロールができなくなるから。
さっき言ってた「時間的余裕」とは、7月8月と比較して時間的余裕ができたということ?
どの時期と比較するというわけでなく、先行きの不透明性が高まっているからもう少し時間をかけて不透明感がどっちに傾くかみていくということに尽きる。
年内の追加利上げの可能性について、今日の段階で7月よりも年内利上げは遠のいた?
引き続きデータ次第ということに代わりはないが、国内の経済物価動向のデータに加えて、米国経済動向のデータも総合的にみて判断していく。
市場との対話について反省すべき点は?
当面の政策運営を大きく動かしていくのは見通しの確度がどこまで高まったかという点なので、この点について大きな動きがあるときはこれまで以上に丁寧に発信していく。
まとめ
まとめると、こんな感じですかね😋
・金融市場が不安定かどうかを判断する時間的余裕はある→「利上げは急がない」と市場に判断されそう。
・中立金利の推計は幅があり、幅のなかのどこか?というのは判断できていない
・輸入物価の上昇による物価の上振れリスクは低下した
・米国経済・世界経済が不透明なので、足元が見通せていても直ちに利上げだ、とはならない
取り急ぎ以上です!
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